makiのきまぐれブログ

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宮部みゆき 黒武御神火御殿

2020年の読み始めは 宮部みゆきさん。

袋物屋三島屋の黒白の間に語り手一人を迎え不思議話を聞くシリーズ6冊目

三島屋変調百物語六之続 黒武御神火御殿

今まで聞き手だったおちかちゃんが嫁に行き、三島屋の次男坊富次郎が受け継いで

初めての物語。

 

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4つの話を聞くのですが。。。

560ページを超す厚さ4㎝にも及びそうなうち半分以上が、タイトルになった物語。。。

とりあえず、まとめ。

 

第一話 「泣きぼくろ」

富次郎のかつての幼友達豆腐屋の八太郎が8歳の頃に自宅で起こったすったもんだ。

父母、長兄夫婦、次兄夫婦、長姉、次姉とその許嫁に、三姉とその婚約者。

そこで、誰かに魂を乗っ取られたかのように、長兄嫁が次姉許嫁、次兄嫁が三姉婚約者、はては長姉が父と粗相を起こす。

襲われる形になった男たちはそろって女が言い寄ってきたという。

事のあった時、女たちの顔にはそれまでなかった、泣きぼくろがでていて

それがぽろりと落ちると気を失いその後正気に戻ると事の顛末をおぼえていない。

父が家出、どうやら、その父の昔の女の怨念か。。。

家族離散したけれど、今はみんなそれなりに暮らしてる。話してもう忘れたいんだ!

八太郎が語り終え、その後富次郎がその嫁さんとご挨拶を交わすのだけれども

富次郎は複雑な顔。

なんと、その八太郎の嫁さんの顔は、なきぼくろどころか、ほくろがいっぱい。。。

 

第二話 「姑の墓」

お花の生まれ故郷はあらゆる花が咲き乱れ、とりわけ山の上から見る一体の桜は

超絶景。その季節には人々がみんな集って山頂で花見が行われるのだか

お花の一家の女だけは、その花見に参加することはできない。

最初は理由を言い渋っていた祖母の話から、昔嫁姑のいざかいがものすごく

嫁をいびりまくった姑が、花見の際に嫁を山から突き落とし、代々の嫁がその美しい

景色を見ることを良しとせず、山に登ろうものなら、必ずその嫁は死ぬことになる。

時代はうつり、今の嫁と姑はホントに仲良しで、目的を花見とせず、清掃準備とし

山に登る。。。がしかし、なぜか姑は嫁の両肩をつき、嫁は転げ落ちて死亡。

その後お花が全然関係ないところに嫁ぎ、姑になろうとしている。

私の肩にはあざがある。姑になったら、嫁をいびり殺してしまうのだろう。

そう語るお花に富次郎は、言うのである。そのあざは今語ったことで消えたし

そもそもその手の後は、突き落とした後でなく、抱きしめた後であると。。。

 

第三話 「同行二人」

火消の修行中やんちゃして居所が亡くなった亀一は、その逃げ足の速さを買われ

飛脚として働くことになる。

嫁をもらい子が生まれ、認めることができなかった継父とも仲直りし

幸せに暮らしていたのもつかの間、流行病でみんな亡くなる。

自分が悪かったのか?いやそうじゃないだろう??

忘れるために、とにかく、飛脚として走り回る亀一に、ほかの人から見えない誰かが

ついてくる。。。そいつの顔はのっぺらぼう!!

憑かれたと思われる茶屋で話を聞くとそれは嫁と娘をなくし首をくくった寛吉と判明。

なくなといわれたから、のっぺらぼうになりつつ、同じよう後悔を持つ亀一に憑いた。

2人で話し合い、そして泣いたら、おたがいすっきり!

寛吉がおこしたとされる火事の因縁もすっかりとけて。亀一は飛脚問屋の本店を守る。

 

第四話 「黒武御神火御殿」

三島屋のもとに舞い込んだ、禁忌、耶蘇教の唄が縫い付けられた印半天。

甚三郎とお秋が語る、この世ではないところに迷い込んだ屋敷での物語。

迷い込んだ6人。ここから出られるのは一人だけ、さぁ次の罪人は誰だ!?

 

 

どうしても、忘れがちになるから、せっせと内容書き留めました。

一話の八太郎の話を聞きながら、富次郎が自分ちでおこった長兄の話を思い出すけど

私はもうすでに、その話を、忘れてる(^^;

気になるものの、最後まで進んだら、謎の屋敷!?

最初の聞き手、おちかちゃんも、迷い込んだ不思議な館。不思議世界ではあるのよね~。と言いながら、そのおちかの嫁ぎ先、古本屋の勘一さんがでてきたりして。

やっぱり、前の話を覚えていなくて、もやもやする始末。

 

 

でも、四話の圧倒的な世界に、すぐに没頭!

耶蘇教。キリスト教の弾圧の事よね?江戸時代だもんね??

でも、その教え、そなたの罪を告白せい とは。。。*1

疱瘡神にあいされた、守役のお勝さんが言ってます。

「信心のほどを試すために人に試練を与えるというのが私には解せませんし、許せません。わたくしにとって神仏は、つらい事や災いの多いこの世を生きていくために、すがるよすがとなる有難いものですから。」

この言葉が、まさに肝となっているのですが。。。

 

富次郎さん。

おちかちゃんびいきだった読者の私からすれば、やすやす認めたくはなかった(笑)

けど、この4つの物語の聞き手として、一話では、世間知らずなぼっちゃん感。

二話ではお花ちゃんにかけた、優しい解決の言葉の解決法。

三話は一番なんだかんだと、印象薄いんですが、

四話で、恐れおののいたり、でも、甚三郎さんと同志ぶったり(放蕩息子!)

おちかだったら??なんて右往左往する様は、ちょっといい感じです( *´艸`)

四話の第二の語り手お秋さんが、三島屋の百物語の評判を腹立たしく思ってた。

っていう言葉にも、これから、真摯に向き合ってくんだろうなぁ。。。

女の子が聞き手を務めるのとは、また違った責任!?みたいな。。。

 

・・・ということで、これからも続く、宮部さんのライフワーク。

帯に書かれてますよ! 「新たな<変わり百物語>の幕が開く!」って♪

その前に。。。また再読したいんだけど。。。

このシリーズはいち早く、単行本で入手するため重くかさばるのが困ったものです。

 

*1:+_+