makiのきまぐれブログ

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悪人 劇場公開2010年

悪人 
監督 李 相日
出演 (祐一)妻夫木 聡 (日本アカデミー賞最優秀主演男優賞)
    (光代)深田 絵里 (モントリオール映画祭最優秀女優賞)
    (増尾)岡田 将生
    (佳乃)満島 ひかり
    (房江・祐一の祖母)樹希 希林
    (石橋・佳乃の父)榎本 明
 
劇場上映当時から、ずっと観たかったけど、タイミングを逃してた作品。
長かったお盆休みの締めくくりに、やっと観る
ことができました。
 
タイトルに悪人ってあるけど、誰がホントに悪人なんだろう
 
もちろん、祐一は人殺しなわけで悪人であるのは当然だけど。。。
(でも、根はとっても優しい人だと思うよ。たとえ走り屋仕様の車乗ってても!)
 
佳乃だって、かなりの悪人・・・っていうか、キッツイ性格
なんの悪意もなく、置き去りにされた佳乃を家まで送ってあげようと言われたのに
あの言いっぷりは、ないでしょう
私も、最近性格歪んできてるので
言葉には気をつけたいと思いました
 
で、増尾くん。いまどきの若者って言葉で済ましてしまえばそれでいいかもだけど
女の子を、いくらむしゃくしゃしてるからって、山奥に置いてきちゃだめでしょ
おまけに、車内から蹴り出しましたよ
あげくに、死んだ女の子を笑い話にしちゃダメでしょ。
佳乃の父が怒るのも当然です。
 
一見、悪人には見えない光代だって、妹に言わせれば立派な悪人だったよね。
あんたのせいで、皆んなどがんな目にあっとうかわかっとっと
 
印象的だった場面として、現場にやってきた石橋が、圭乃に逢う場面。
誰がおまえば、こげん目に合わせた。
さびしそうな表情
お前は悪うなかぞ、悪うなか。
って頭をなぜてくれるお父さんにみせた笑顔。
なんていうんだろう。
圭乃の後悔(?)、でも父親の絶対的な言葉に安心(?)
しゃべらないのに、なにか聞こえてくるような、いい演技でした
 
そのお父さんの言葉、深かった
あんた、大切な人はおるね?
その人の幸せな様子を思うだけで、自分まで嬉しくなってくるような人は?
今の世の中、大切な人がおらん人間が多すぎる
自分には失うもんがないちゅう思いこんで、そいで強くなった気になっとう
だけんやろ 自分が余裕のある人間って思いくさって
失ったり、欲しがったりする人を 馬鹿にした目で眺めとう
そうじゃないとよ。
それじゃ人間はだめとよ。
 
大切な人がいるからこそ、人生楽しくも悲しくも面白くもあるんだよね
 
 
話の流れ方もとてもステキだった。
殺人の場面ひとつにしても、
まず、父親の目で、死姿から始まる。
で、増尾さんの目から、蹴り落とされ、放置されるところまでが語られる。
最後に、祐一の目から、最後の場面が語られる。
 
その他、祐一がお母さんの話をする前に、関係ない場面で母親が登場するし
おばあちゃんのネッカチーフが、現場にくくりつけてあるんだけど
違う場面で、祐一が買ったものであるものが説明されている。
おばあちゃんが、それを首に巻いて、悪徳業者と闘う場面も。
 
殺人事件(非日常)があって、逃亡者する主人公と、それを取り巻く人の日常。
それが、すごくいい感じだった。
 
 
「そうですよね~。世間で言われよるとおりなんですよね。
あの人は、悪人なんですよね。人を殺したとですもんね。」
光代が、つぶやく場面
祐一が、「オレはあんたが思てるような男じゃなか」って光代を殺そうとしたわけだけど
やっぱり、それは祐一が演じたことだと思うのね。
殺されかけてた光代もそれが、演技だとわかってた(信じたかった)と思うのね。
でもやっぱり、そんな祐一の思いを受け止めるべきだと光代は思った・・・。
 
私としては、そんな解釈をしたい、けど、ダメかなぁ
 
「目の前に海があったら、もうその先どこにも行かれへん気になる」
そんな言葉が、最初の方で祐一の口から出ていたけど
ラストシーン、灯台、一面の海、沈む夕日(朝日なのかな)
なんとも言えない祐一の表情が、そんな言葉を打ち消していた!?
素敵なラストシーンでした
 
 
1年ほどしたら、もう一度観てみたい。そんな余韻の残る映画でした